90年代リバイバルブームが個人的にやってきてますので、いろいろと物色しているわけですが、当時は買わなかったマイサイズのドゥニーム(Denime)の66モデルを格安で入手したので穿いてみました。
90年代当時のレプリカジーンズメーカー
現在のようにジーンズのことをデニムとは言わない時代、いわゆるヴィンテージリーバイスをいかにパクるか、に主眼が置かれて、今では自粛の方向にある赤タブやアーキュエイトステッチが入れられたレプリカジーンズは、当時2万円前後の価格で販売されてました。ヴィンテージリーバイスがウン万円でボロくてサイズもマイサイズが入手できるかわからん事を考えると、地方在住の学生時代の自分には選択肢はレプリカジーンズしかない。自分はアーキュエイトステッチの一部を加工するとリーバイスになる笑フルカウント派でした。
その頃のレプリカメーカーというと、エヴィス、フルカウント、そしてドゥニームあたりが御三家、その他シュガーケーンやジョーマッコイ、ウエアハウスなどなど。
エヴィスなんて、LEVI’SのLの字を取ってEVISですよ。友人の金子君は、エヴィスのことを『リーバイス』ならぬ『イーバイス』と呼んでいたのを思い出します。(その後はさすがにEVISUとUの字を入れるようになりましたが…)
いまではそんなエヴィスジーンズも有名となり、パクリ路線は終了して独自の大阪文化のノリで総合衣料メーカーとなってますが、韓国に思いっきりパクられて大変なことになってますね。因果応報というやつでしょうか。
ほぼデッドストックの旧ドゥニーム66type
これがフリマアプリで入手したマイサイズの旧ドゥニーム。旧ドゥニームは状態にもよるけどかなりの高値で取引されているところ、この品は相場の1/5くらいで出品されていました。実際のフリマと同様にフリマアプリってのはこういうことがたまにある。正直、レプリカジーンズにプレミアがつくなんて思ってなかったけど、当時を知る40代からすると、懐かしんでちょいと高値で買ってしまう気持ちもわからんでもない。ドゥニームは過去に2回ほど穿いたことがあるけど、ここまでのリジットのは初めて。
ちなみに旧ドゥニームとは、レプリカジーンズの神様ことデザイナーの林氏がドゥニームブランドを牽引していたオリゾンティもしくはSHINS時代のドゥニームを言い、林氏が抜けたあとを現行ドゥニームとしているらしい。こちらはSHINS時代のもの。ドゥニームのHPには2008年林氏退社とあるのでそれ以前のものと推定。製造されて10年以上経過していることになる。
その後林氏は、リゾルトというジーンズ専門ブランドを立ち上げているが、現行ドゥニームの商品ラインナップを見ると、ジーンズ以外にも手広くやっていて、これはデザイナーと企業の方針が違ってきたんだなとわかる。現行ドゥニームの商品はお手頃価格で、ポリエステル混紡、中国製であり、知名度のあるドゥニームの名前で販売していく方針、実店舗はなく通販のみ、これまたエヴィスのような総合アパレルメーカー。
この2018年に30周年記念真空パックモデルを発売してるけど、当時のレシピで再現しましたと、それこそ現行ドゥニームと旧ドゥニームが違うことを認めているようなものだ。
対してリゾルトは、実店舗こそないが、林氏が自ら代理店に出向いて、サイズのアドバイスをしたり、さらにはすべてのモデルのウエスト、レングスサイズを幅広く揃えていて、ジーンズ1本でやっていく様子が伺える。ジーパン屋と自称するだけのことはある。ジーンズのモデルラインナップを見ると、昔の荒々しいXXを再現するというよりは66モデルを中心とした、何度も洗って色落ちさせるようなものをメインとしているようである。
林氏って、昔はレングスの短いジーンズ穿いてるなぁって思ってたけど、それがジャストだと気づいたのはお恥ずかしい話、最近のこと。さすが神様です。
毛羽があり、ほぼデッドストック状態。生地感はかなりザラザラしている。
現行ドゥニームにはない赤タブ。やはりこれがないとね。レーヨンなら洗うってクルッと丸くなる。
66モデルなので革ではなく紙パッチ。昔からドゥニームのパッチには適当な番号が印字されたり、何も印字されなかったりで意味不明。
もちろん赤耳も健在。裾はチェーンステッチで仕上げられていました。
やはり日本人の真面目な仕事っぷりはさすがで、ヴィンテージリーバイスをこれでもかと、研究した結果だと感じます。この後、岡山を中心としたデニム生地は世界的に有名になり、いまではあのリーバイスでさえ日本製デニム生地を採用していますよね。パクリからスタートしているけど、きちんと独自の文化にするのはどこぞやの国とは訳が違う。アメリカの労働者の作業着としてスタートしたデニム生地が何故か日本で製造されているという不思議。
驚きのマイサイズ66モデル
今更、ワンウォッシュ状態のジーンズを穿こうなんぞ思ってなかったのですが、ウエスト、レングス共にピッタリのマイサイズ。特にレングスは別途チェーンステッチで仕上げようとすると、専門店への持ち込み、時間とコストが掛かるので、ちと面倒。でもこの66typeはマイサイズのドンピシャ、これは運命だろうと、購入して週末穿いてます。さすがにベルベルジンの藤原氏のように洗濯糊でバキバキにして…までは良いかな。66モデルといえば、作業着からタウンユースへと変化した過渡期のモデルで、あまり激しいヒゲがついた色落ちより、少し控えめくらいがちょうど良い。
そのベルベルジンの藤原氏も誕生日に66モデルのデッドストックをおろして穿いているというが、やはりこの66モデルってのはある意味完成された何かがあるんだろうなと。XX時代ほどズドンとしていなくて、最近のスキニーのような細くもない、時代に左右されないクラシックでありスタンダードなシルエット。前述の通り林氏のリゾルトのラインナップも66モデルを基本としていた。実を言うと、過去に高校時代の友人の金子くんから66モデルの前期を譲り受け所有していたことがあったけど、洗い過ぎてノッペリとした色味が気に入らなくて売ってしまい、自身ではほとんど穿いたことがない。これまたお恥ずかしいことに、ほぼ人生初の66モデルだ。
ザラザラで全く伸びない穿きにくい生地に期待
いまのポリエステル混紡の伸びる生地になれていると、それとは真逆なこのまったく伸びない無骨なザラザラコットン100%生地の穿きにくさに、嬉しくも辛くもあります。今回はいつもよりウエストサイズを1インチ下げているので尚更キツイ。それだけ自分の身体にフィットした感があり、また太すぎず細すぎないシルエットもなかなか良い。実際のところヴィンテージリーバイスの66モデルがこんな生地かどうかもわかりませんけどね。この先2年は洗わない、とは思ってませんが、ある程度青っぽいデニムらしい色になるくらい穿き込みたいところです。
追記
穿いてみてわかりましたが、このリジットデニムは、色移りがスゴイ。手が真っ青になり、スニーカーには青色が付きますね。
↓1年経過後の結果
旧ドゥニームdenime66typeを1年間穿いてみた結果