リーバイスの70505を買いました。ヴィンテージの界隈の方々には不人気ですが、このジャケットにはそれなりの思い入れがあるので、その話と共にご紹介。ちなみにこの70505は現在4thと呼ばれていますね。昔はサードで557と同じ呼び名でしたが、今では当たり前に4thです。
それは高校生の頃、当時は1990年代前半、ヴィンテージブーム真っ盛りで、景気が良いこともあって、とにかく高価なモノが偉い、という時代。自分はスニーカーをきっかけにして、ヴィンテージの世界に踏み込んだのだが、当時の情報源は雑誌と古着屋の店員の話しかない。となると雑誌のヴィンテージ特集には、必ずと言っていいほどジーパンが載っていて、自然とジーパンに興味が湧いてきた。その当時からヴィンテージの王様「リーバイス501xx」は相応に高価であり、現在ほどではないにしても、何十万としていた。もちろん高校生の自分には手が届くわけもない…。
前のブログ記事にも書いたが、自分は最初のリーバイスのジーパン購入時に、緊張の中、お店でサイズ選びを間違えてしまい、なんとなくジーパン選びは難しいもの、というトラウマに囚われて自然と避けていたため、青春時代にリーバイスのジーパンをほとんど穿いていない。原点であり頂点と言われるリーバイス501をまともに穿いたのは実は40歳過ぎて最近のことだ。じゃあ青春時代のパンツは何穿いてたの?ってなるけど、それはレプリカブランドで、フルカウントやシュガーケーン、ジョーマッコイと一通り穿いた。(今考えるとリーバイスでもレプリカでもサイズは同じような感じなんだけど…)今大人気のウエアハウスは残念ながら穿いていない理由は、なんだかポケットのステッチがイマイチだったんだよなぁ。その頃はいかにリーバイスをパクるかが正義で、後発のウエアハウスのそれは、なんだかカッコ悪かった。
今はジーパンにジージャンを合わせるセットアップも普通であるが、当時はあまりやらない風潮で、下はチノパン、上にジージャンが流行していて、まずはジージャンを買おうかなと思っていた。それは高校生の時に、前述する同じクラスで一緒になった金子くんがこの70505を着ていて、なんだか衝撃的にカッコいい、金子くんの友達は更に557を着ていて、これまたカッコいいと思ったから。何がカッコいいのかわからないけど、雰囲気があって、聞けばそれは古くて高額だと言う。出身の地元が違う金子くんから、異文化を取り入れて、気分はヴィンテージまっしぐら、となった。ちなみに今と同じだがジーパンよりジージャンは安かった。
地元には古着屋はたくさんあったが、なぜか地元では買おうとせず、小遣いを貯めて東京に買い物へ行くことにした。情報源は雑誌しかない、住所から当たりをつけて、渋谷・原宿あたりを廻った記憶がある。そこで出会ったのがこの70505だった。お店の名前は今は亡き明治通りのメトロゴールド。この個体と同じようにパッチにはしっかりと「70505 0217」と印字されていて、色残りもバッチリで程度は極上。懸念としては価格が確か38,000円、サイズが42ということ。おそらく、70505はその1枚だったのかな。栃木から出てきた高校生は頻繁に東京に来れない、もはや買うしか選択肢はなかったのだ。こうして人生初のヴィンテージデニム70505のBigEを手に入れたのであった。
満足度MAXで帰宅したものの、それからその70505には、ほとんど袖を通すことは無かった。その理由はやはりサイズがデカイのである。当時はトップスはタイト、パンツはルーズ、というのがセオリーでそれを外すと途端にダサいやつ認定、ヴィンテージを着こなす芸能人を見ての通りである。マイサイズは38、中に着込んで40といったところ、当時にして42は明らかにデカイ。結局、ジーパンと同じくサイズ選びによってまた着る機会を失ったのである。そうしてこの70505は友人と何かを引き換えることで、いつのまにか手元から無くなったのであった。一体どこに行ったのかなぁ。やはり今思えば、最初のヴィンテージ品の購入は経験者と買うに限る。
まだまだ安いぞ70505(特にSmall e)
その後、この悔しい経験をして、いわゆるファーストの506xxなどを手に入れるわけだが、結局のところジージャンを着る機会もそれほどなく今に至るのだが、ここに来てジージャンが熱い。その理由はキムタク、ではなくてビームスの西口修平氏の着こなしが大人カッコいいからである。(ちなみにキムタクも私物で70505を所有している様子)西口氏の初のヴィンテージもなんと70505と自分と通じるものもあり、これはもう一度着てみようと入手することにしたんだけど、フリマサイトを見てみると、なんと当時より安い笑。しかもジーパンの66モデルにあたるSmall eのそれは数千円でも買える笑。カタチは同じなので、赤タブがEなのかeなのかで1万円から1万5千円ほど高価になるなら、当時はBigEだったけど、Small eでと妥協して入手したものの、素晴らしい色落ち。不人気で安いともあって、思わず38と40の2着買いを果たしてしまう笑笑。今の流行りは肩を落としたビッグサイズ、なんてYouTubeで「古着屋の店長」は言いまくってるけど、当時を経験してるとやはりジャストがカッコいい。さて、20数年ぶりにようやく納得のいくサイズを入手したから、これから着込んでみましょうかね。(サントリーウェイティングバーアバンティっぽい終わり方)
復刻版も出てますね。