2021年8月に入手した、41年前の1980年8月製のリーバイス517 Made in USAの詳細なディテールを備忘録として。この頃のリーバイス501は赤耳、66後期あたりでしょうか。
細かなディテールこそ、男の趣味として相応しいアイテム
好きな人には釈迦に説法だが、このヴィンテージジーンズの世界は、パーツパーツの細かさに優位性を見つけ、そこに価値を見出すところから始まる。古ければ古いほどその価値は高まる。だが所詮古着ゆえ、多くの個体にはダメージがあり、古さとコンディションの良さ、更にはサイズ、色落ちとで相場が形成されてゆく。色落ちは〜1978年前のモデル、色落ちについてはデッドストック(海外ではNew Old Stock、NOS)が最も価値が高いが、色の濃淡がくっきり出ているヒゲ、ハチノスと言われる着用痕が評価されることもある。サイズに関しては、日本人が多いとされるサイズ(おおよそウェスト31〜34インチ程度)をいつからかゴールデンサイズと呼ぶ。そんな違いを見つけは、優越感に浸り、他人の所有していないレアアイテムを夜な夜な1人見てはニヤニヤするのが男の趣味である。
この個体は色落ちは6割程度、バックポケットにはタバコのような跡あり。全体のステッチにイエロー色なし、すべてオレンジのステッチ。腹帯は縦方向の生地が使われている。
印字タイプで、Care instruction〜と517-0217の表記。517と0217の間には「-ハイフン」の表記がある。Made in USA。今のところ破れは無し。
42タロンジッパー、裏にはUSAの表記あり、動作も良好。
501の場合、一般的に8%なら66後期、10%なら赤耳と判断されるが、この517は防縮加工デニムのため縮率が3%と記載される。自分の場合、501であればw33の縮みで着用することが多いが、517の34ではかなり大きなサイズ感となる。
ボタン裏16刻印と合致する白タグ。調べると16工場は後の653工場、製造委託会社ラッキースター社のボールドウィン工場か。製造委託されていたから本社の指示通りに製作されなかった?
前述のいわゆるヒゲが水平に入っていることから、前オーナーは高いフィット感で穿いていたと推測、ただし股にはダメージなし。内股はシングルステッチ仕様。
耳はなく、糸も白。裾はオリジナル状態でチェーンステッチ仕上げ。レングスはオリジナル状態が価値が高いとされる。(いわゆるフルレングス)製造された時代によってはこの脇割糸が金色のものも存在する。
コインポケット裏ステッチ。この年代であれば、チェーンステッチが多いであろうが、こちらの個体はシングルステッチ。
バックポケット、スモールe(不均等の刺繍タイプ)と黒カンヌキ。アーキュエイトステッチの入り方に対称性がなく歪(いびつ)な感じがある。ポケット裏ステッチはチェーンステッチ。
明らかに縦落ちしているデニム生地は16工場が理由か
501の年代的にはいわゆるノッペリした色落ち時代だが、こちらの個体は見事な縦落ち生地となっている。その理由が、16工場だからか、それとも501とは違う製造ラインの517だからかは不明、近い年代で検証が必要、ということで複数の個体を購入してみましょう。